FM丹波 ギターの散歩道2024年8月放送分

8月プログラム  8月1日(木)~30日(金)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は「キラリ夏」をテーマにお送りしています。太陽が主役の季節、あの真夏の太陽が戻ってきました。波打ち際に立っているとカンカンと絶え間なく照り付ける太陽が輝き、ゆれる波間に見えかくれし、そっとまぶたをおろし、耳をすませると、地中海の唄声が聞こえてきそうです。

・ (月)morninng dlew「あさつゆ」  (二重奏)

「あさつゆ」今日は東京在住小学4年生のさらちゃんから、リクエストです。お手紙を頂いています。「あさつゆ」はピアノの発表会で弾きました。幼稚園からピアノを習っています。
あさつゆは練習していて、とてもきれいな曲だったからいいなぁと思いました。発表会は、
みんなの方を向いておじぎをするので緊張しました。小さい音から大きく弾くところがむずかしかったです。楽しかったです。と、かわいいお便りが届きました。
「あさつゆ」ウィリアム・ギロック作曲、ギロックはアメリカの作曲家でもあり音楽教育家。
1993年亡くなるまでに、作曲活動と共にオーディションの審査員、ピアノ教師対象のワークショップを多数開催し、アメリカ音楽教育界の重要な作曲家の一人です。音楽をする上で一番大切な感性を育てるために、美しく人の心を打つ作品、感じた事を、表現するためのテクニックを育てる作品等、視覚と聴覚からわかりやすくアプローチできる作品を多数残し世界中で演奏されています。

・(火)映画菊次郎の夏より「サマー」  (二重奏)

「菊次郎の夏」夏休みに離れて暮らす母親に会いに行く正男と近所のおじさん菊次郎の涙あり笑いありの珍道中物語。劇中にダンスやタップもあり、現実と空想が交錯し又お笑い要素も
盛りだくさんで楽しめます。北野武監督、音楽は久石譲作曲のテーマソング「サマー」、CMソングとしても有名です。
かんかんと照り付ける太陽の絶え間ない暑さですが、澄み切った青い空に白い、もくもくとした入道雲、こんなに白い雲が美しいのはこの時期だけ、そして夕立の後のすがすがしい虹は、忙しい毎日を忘れさせてくれる瞬間です。
映画「菊次郎の夏」よりサマー、今日の演奏は魅惑のギターデュエット足立ゆかりと高村浩二です。夏は海に山に川にと、野外の色々な体験が出来、大切な人との思い出も沢山できる事でしょう。夏をどうぞ満喫してください。さあ、「菊次郎の夏」よりサマーお楽しみ下さい。

・(水) 「川の流れのように」 (足立ゆかり)

「川の流れのように」1989年平成元年1月に発売された、昭和を代表する歌手美空ひばりさんの代表曲。作詞秋元康さん、作曲見岳章さんにより美空ひばりさん生前最後に発表された作品です。息子の加藤和也さんによりますと、ひばりさんはこの曲を20回も歌ってないんじゃないでしょうか?と。美空ひばりさんは「川の流れのように」を発表されすぐに他界されました。自分の歌から遠い若い世代の人達にメッセージを残したいと、命を削って世に送り出された名曲、その陰には孤独と病魔の闘いがあったそうですが遺作『川の流れのように』は平成の時代を駆け抜け150万枚を超える大ヒットとなり、令和の時代になっても今なお、幅広い世代で愛されています。
「川の流れのように」今日の演奏は、私足立ゆかりです。この「川の流れのように」も含め演歌や歌謡曲のジャンルのメロディには歌詞が密接に結びつき、それに歌唱が加わり、あの独特な世界ができて私達の心に焼き付いています。今日の演奏は当然歌はなく、ギター1本で「歌のない歌謡曲」を演奏していきます。編曲は世界中でご活躍中のギタリスト福田進一さん。原曲の良さを崩すことなく、クラシック風の所もあり、又ギターの特徴を最大限に活かした編曲になっています。演歌世代の人たちだけでなく美空ひばりさんの遺志のとおり時代と人とをつなぐ一曲として伝え、繋いでいきたいと思います。
「川の流れのように」人生は旅、さあどうぞお楽しみ下さい。

日本ではギターと言えば古賀メロディーと言われるように演歌とは密接な関係にあります。昭和初期以降、レコードの進出に伴い演歌は歌謡曲として広く一般的に流行し、日本の伝統音楽と西洋の音楽が交わり、独自の世界を作り上げて日本独特の大衆音楽として普及していきます。その中、古賀政男さんは作品の中にギターを取り入れて以来、ギターは演歌、歌謡曲になくてはならない楽器の1つとなっていきます。

・(木)『栄冠は君に輝く』 (高村浩二)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は、高校野球夏の大会「全国高等学校野球選手権大会の歌」『栄冠は君に輝く』です。今月は「キラリ!夏」夏に聞きたい曲をお送りしています。
高校野球の聖地として高校球児の憧れの舞台でもある阪神甲子園球場は2024年、誕生100年を迎え、4000坪、47000席の国内最大の球場です。
「栄冠は君に輝く」昭和23年に発表以来、高校野球、夏の大会歌として、大会の開会式、閉会式で演奏、歌われ、「甲子園球場に奇跡は生きています!」「ここにかける、ここから始まる」と球児達の暑いドラマを盛り上げてきました。
「栄冠は君に輝く」今日は神奈川県在住リスナーKさんからのリクエストです。リスナーKさんは現在高校の野球部の監督さんで部員の皆さんと共に甲子園を目指しておられます。
「栄冠は君に輝く」、1948年昭和23年、夏の大会が30回を迎えた時に作られた大会歌で歌詞は5千通を超える一般公募から採用された加賀大介さんの作詞。加賀大介さんも熱心な野球少年でしたがけがで足を切断され、尽きない野球へのあつい思いが強く込められています。作曲の古関裕而さんはNHK連続テレビ小説「エール」の主人公のモデル、平成元年80歳で
亡くなられるまでに5000曲もの作品を残した正に昭和を代表する国民的作曲家です。

・(金)「ショーロス第1番」 (高村浩二)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目はエイトル・ヴィラロボス作曲「ショーロス第1番」です。今月は「キラリ夏!」をテーマにお送りしています。太陽が主役の季節、あの真夏の太陽が戻ってきました。夜明けと共にセミがにぎやかに鳴き出し、そしてラジオ体操に行く子供達の話し声と日本の夏休みの風景、今日も暑くなりそうです。
「ショーロス第1番」1887年生まれのブラジルの偉大な作曲家エイトル・ヴィラロボス、
ヴィラロボスのギター曲の中でも特に有名な楽曲「ショーロス第1番」は1920年にリオデジャネイロで作曲されています。「ショーロ」とはブラジルのポピュラー音楽のスタイルの1つでもあり、ポルトガル語で「泣く」を意味しています。日本の演歌とよく似ている所もあります。
又、作曲者のヴィラ=ロボスは自己主張が強く「音楽は数学だ」と言い出し、周りの音楽家を慌てさせた。と言うエピソードがあります。でも、よく彼のギター曲の楽譜を見ると確かに数学的な所が多々あり、難しそうに見える楽譜も左右の指使いが同一であったりと、見かけよりは演奏がし易い仕組みになっていて、演奏者にとっては、大助かりです。

うっそうとした熱帯雨林を一気に駆け抜けるような感じのこの楽曲、高村先生はこの「ショーロス第1番」を初めてステージで弾いたのは20代前半、1983年12月のキャンドルコンサートの時、いつもですが緊張してどう演奏したのかよく覚えていない、と言う事でした。この曲に限らずヴィラロボスの楽曲は演奏者によって、曲想、テンポ等許容範囲が広く、弾いていて面白い。反対にイメージや表現したい物がないとつまらない演奏になってしまう、とお話されていました。
「ショーロス第1番」どうぞお楽しみ下さい。そして、どうぞ夏を満喫してください。

リクエスト、メッセージ、感想等お待ちしております。お気軽に投稿ください。

お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ お気軽にお問い合わせください
FM聴 こちらから