FM丹波 ギターの散歩道2024年9月放送分

9月プログラム  9月2日(月)~31日(木)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は「過ぎゆく夏」をテーマにお送りしています。残暑厳しい日が続いていますが元気よく鳴いていたセミの声が、少し寂しいような鳴き声に感じ、早朝のすがすがしさや、夜風に吹かれる心地良さに秋の気配を関いています。自然の色、虫の声等季節の変わり目を五感で味わいたい物です。
「過行く夏」皆さん、今年の夏はいかがでしたか?8月にはパリでオリンピックが開催、各競技で熱戦が繰り広げられ、世界中の人々に感動と勇気をと、日本人選手の活躍も素晴らしいものでした。そして、阪神甲子園球場で開催された夏の全国高校野球大会では地元京都、京都国際高校が優勝し私も暑さも忘れ、テレビで応援していましたが決勝戦は涙なしでは見れませんでした。

・ (月)「七つの子」 高村浩二

「七つの子」作詞野口雨情、作曲本居長世の名コンビで生まれた「七つの子」は今から100年以上前大正10年に子供に歌われる事を目的に作られた創作歌曲として発表されています。歌詞には「かわい かわいと烏はなくのかわい、かわいとなくんだよ」と親が子を思う気持ちをよく表しています。
この親しみやすい曲は、他にしゃぼんだま、十五夜お月さん、しょじょじのたぬきばやし、うさぎのダンス等の歌とともに日本人なら1度は歌った事がある曲ではないでしょうか。消えゆくものへの懐かし想い出、過ぎ去っていく時代の流れ、子や孫、大切な人を慕う尊さは、日本人の心の中にいつまでも響いていくことでしょう。「七つの子」今日の演奏は高村浩二先生です。編曲は高知を拠点にご活躍中のギタリストでもあり作曲家、リ・サフォンさん、松井孝之さんのペンネームです。
作曲や編曲を多く手掛けられ、ギター二重奏の名曲として世界中のギタリストが愛奏している「紫陽花」や「ふるさと」「荒城の月」等日本の童謡や唱歌を元に編曲されています。ギターの特性を熟知し、又機能性を思う存分発揮されている楽曲は、本来の曲の魅力を残しつつ神秘的にも聞こえ大変魅力的に仕上がっています。細かい動きの音に惑わされて、メロディを歌う事を忘れないようにすることが演奏のポイントです。
「七つの子」さあ、どうぞお聞き下さい。

・(火)「誰もいない海」 (二重奏)

「誰もいない海」今はもう秋、誰もいない海 の歌詞で始まるこの歌は1970年トワ・エ・モワが歌い大ヒットしました。懐かしく思われている方も多いと思います。でも実は1967年、『木島則夫モーニングショー』に出演されていた歌手のジェリー伊藤さんの「今週の歌」のために書かれた曲でテレビドラマ『越路吹雪物語』の主題歌でもありました。でもどちらかと言うとフォークソングのイメージの方が強いかなぁと思っています。懐かしいフォークソング、一人でギターを弾きながら歌う、弾き語り、ギターを弾く事に集中すると、歌が止まってしまい、反対に歌に集中すると手が止まってしまう・・歌いながら弾くのはなかなか難しいと・・皆さんも苦い経験がありませんか?私も学生時代の文化祭の時にいつもギターで伴奏しているから今日は歌わせてね、と言って歌ったのを思い出します。シンプルなアルペジオ伴奏がこの歌詞にぴったりです。つらくても つらくても 死にはしないと、この歌詞に何度も勇気づけられました。「誰もいない海」今日の演奏は、魅惑のギターデュエット足立ゆかり&高村浩二でお送りします。この歌が流行った1960年後半から1970年代には、多くの若者たちがギターを弾きながら歌った事でしょう。ギターを持った若者たちが街にあふれ何ともいえないエネルギーがあったように思います。今となっては、思い出の懐かしいフォークソングを歌う事によって、自分の青春に思いを巡らせて生きている事を確かめるのもありかと思います。曲を聴くと不思議と覚えているものです。良い歌はどんなに月日が経っても常に新鮮で、その時代その時代の人たちの心の中で深くしみこんでいきます。いつの時代になってもその原点は失われずふつふつとした新鮮な驚きを伴ってよみがえってきます。「誰もいない海」さあ、どうぞお楽しみ下さい。秋はもうそこまで来ていますよ。

・(水) 「マリアルイサ」  (足立ゆかり)

リスナーの皆さん、この夏はいかがでしたか?私が主宰しています、あだちゆかりギター教室は今年創立40周年を迎え、7月に記念の生徒発表会を開催しました。生徒の皆さんは日中の暑さと緊張感の汗だくで大変でした。今日は、40周年記念発表会に出演された生徒さんEさんから感想を頂いていますのでご紹介しましょう。「ドキドキギター発表会」ギターを習い始めて6年目、4回目の発表会に参加しました。今回はギター教室の40周年と言う事で会場も大きく、第2部にコンサートもあり聞きに来る人が多いでした。余裕を持って練習していたはずだったのに発表会が近づくと、出場するなんて言わなければよかったと後悔しました。「舞台の真ん中に行く途中でずっこけたら」とか「同じ方の手と足が同時に出たりして」とか、冗談を言っていたのが笑い事ではなくなってきました。
どうしようと思いながら、当日が来てしまいました、もう開き直るしかありません。頭の中が真っ白のまま弾き終えて舞台から降りると、仲間から「よかったよ」と声をかけてもらいました。客席で聞いていてくれた娘と孫は正面に座っていた、と言ってましたが全く見えていませんでした。なんとか終えることが出来ましたが翌日になってどっと疲れがでました。緊張しっぱなしの発表会でした。と、メッセージを頂いています。お疲れ様でした。
「マリアルイサ」今日の演奏は私、足立ゆかりです。「マリアルイサ」アルゼンチンのギタリスト兼作曲家であるフリオ・サルバドール・サグレアスの作品です。サグレアスが初心者向け作曲した3つの簡単な作品の中の第2曲目で同じアルゼンチンの女流ギタリスト、マリア・ルイサ・アニードに捧げるために書かれており、曲名もマリアルイサになっています。「マリアルイサ」中級者向けで聞き映えがするので発表会に登場する回数においてはおそらく1,2位を争う楽曲で人気があります。出だしのイ短調の音階は特に印象的です。メロディと伴奏の弾き分けをはっきりさせながらメロディを歌わせていきます。後半ハ長調に転調してからは明るい雰囲気が出ると、短調と長調の対比が出来て良い演奏になります。生徒さんから「発表会で弾きたいから音源を捜しているのですが見つからない」と言う事を耳にします。ピアノやバイオリン等は生徒さん向けの練習曲が色々と録音されていますが、意外とギターはないと言う事に気が付き、このギターの散歩道でご紹介していこうと思っています。リクエストがありましたらどうぞお知らせ下さい。さあ、「マリアルイサ」お楽しみ下さい。

・(木)「追憶」 (二重奏)

「追憶」1973年に公開されたアメリカ映画、バーバラストライサンドとロバート・レッドフォードの若き日の代表作。20年の歳月のなかで情感豊かに描く永遠のラブストーリです。今日は地元福知山在住リスナーNさんからのリクエスト、メッセージを頂いていますのでご紹介しましょう。ギターの散歩道、毎日朝とお昼と楽しく聞かせてもらっています。毎月の月初めが楽しみで今月はどんな曲が放送されるのだろうかとワクワクしています。私も学生時代は深夜ラジオ派で勉強もせず寝っ転がりながらこっそりとラジオを聞いていました。昔はオンタイムで周波数も限られていて聞けなかったら残念に思いましたが今はネットで全国どこに居ても聞けるようになったので益々ラジオ大好きになっています。今日、リクエストをお願いした「追憶」は、学生時代に映画好きの友達4人で当時人気のあった「卒業」「ロミオとジュリエット」「小さな恋のメロディ」を地元の映画館に見に行き、映画って泣けるものだなぁ・・なんて主人公になりきって見ていました。でもこの「追憶」だけはちょっと背伸びし過ぎたかなぁ、大人の恋愛もんか?と内容が分からずにただ見た、と言うだけでした。でも、映画のテーマ曲、バーバラストライサンドのあの澄み切った歌声だけが頭に残っています。映画好きの4人も還暦を超え、1人はもう遠い世界に行ってしまいましたが時間にも心にも余裕ができもう一度、見直し号泣し、青春時代に思いを巡らしています。「追憶」今日の演奏は魅惑のギターデュエット足立ゆかり&高村浩二でお送りします。ゆったりと弾いていきます。同じフレーズが何度も出てくるのは、よい思い出を繰り返し表現しているのではないでしょうか。「追憶」さあ、お楽しみ下さい。

・(金)「パリの散布道」 (高村浩二)

今日、お送りします「パリの散歩道」、よく知られるようになったのは2013年フィギュアスケートの羽生結弦選手がマリンメッセ福岡で開催されたグランプリファイナルのショートプログラムで使われ、当時の世界歴代最高点となる99.84をマークし、「パリの散歩道は奇跡的瞬間」と、ほぼ完璧な演技で魅了し、音楽と共に記憶に残されています。パリは昔からファッションや芸術を目指す人にとってはあこがれの地でもあり、パリにいるだけでワクワクとした気分になってきます。以前、私がパリに滞在していた時、やりたかった事が2つあります。1つはシャンゼリゼ通りの、カフェのテラスでお茶をする事、もう一つはモンマルトルの丘から市内を眺める事です。モンマルトルの広場へは階段を歩いて上って行く事にしたのですが結構な階段で休憩しながら上がっていきました。両側にはマロニエやプラタナスやハシズミの木々が植わっています。その木々を見ながら休憩しているとその階段をフランスパン片手にゆっくりゆっくりと登っておられる老紳士から話かけられ、どうも植わっている木々の説明をされているようなニアンスなのですが私はフランス語は分かりません。でも、旅をしていて話しかけられた事がとてもうれしく、よい夏の思い出になっています。「パリの散歩道」今日の演奏は高村浩二先生です。演奏のポイントは、この音をどのタイミングで弾くのか?畑仕事を終わった後のビールが美味しいようにタイミング良く出した音はより一層魅力的に聞こえます。人生もタイミングよく過ごしたいものですね。この「ギターの散歩道」シリーズ、ギターを持って散歩している気分で「心の糧になる良い音楽を」をモットーに生演奏の良さ、音楽との出逢い、人との出逢いを届けようと1995年から地元福知山市内の喫茶店からスタートし、現在全国で展開しています。人と人とのつながりが希薄になりつつ今の社会ですが音楽が1つの方法として活用していきたいと思っています。「パリの散歩道」さあどうぞお楽しみ下さい。

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