FM丹波 ギターの散歩道11月放送分

11月プログラム  11月1日(水)~30日(木)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は「気楽にクラシック」をテーマにお送りしています。
つい先日まで青々としていた山々ですが紅葉は駆け足でやってきました。標高2000メートルにある美ヶ原高原、目の前に広がるアルプスの稜線にかかる神秘的な雲海。そして見上げると澄んだ空気の中の青い空。青いキャンバスに描かれている白い雲が冷たい秋風によって刻々と形が変わっていくのがおもしろくてつい時間が経つのを忘れてしまいます。ふと感じる秋を見つけて何だか心満たされた気持ちになっています。

・ (月)ポンセ作曲「ガボット」 (高村浩二先生)

ポンセ作曲「ガボット」、ポンセの楽曲を世界中でよく知れ渡るように演奏したギタリスト、
アンドレス・セゴビアの存在を忘れる事ができません。アンドレス・セゴビア、それまで酒場に似合う伴奏楽器だった、ギターの地位をコンサートホールで演奏される芸術性の高い独奏楽器へと引き上げたり、又ナイロン弦の開発にも携わり当時羊の腸で作られたガット弦のわずらわしさから解放するなどギター界の発展に大いに貢献し「ギターの神様」と言われています。
今日演奏します「ガボット」は元をたどればバロック時代のイタリアの作曲家、スカルラッティ作曲のチェンバロの曲です。それを、2世紀200年ののちに、メキシコの作曲家マヌエル・ポンセと同年代を生きたアンドレス・セゴビア、2人のちょっとしたいたずらでギター用に編曲した作品です。

・(火)庭の千草 (二重奏)

「庭の千草」今日は東京在住リスナートムさんからのリクエスト、「神宮外苑の杜」として秋の思い出のメッセージを頂いていますのでご紹介しましょう。「神宮外苑の杜」故郷福知山を離れてもう半世紀以上経過しているが40年前位からゴルフの打ちっぱなしに神宮外苑に来ている。1度、春に来た時には外苑の植え込みの中から福知山と同じ匂いがしてきてびっくりした。あぁ福知山の春の匂いがする。その匂いは、「ヒサカキ」の匂いであると、後で知った。4月からゴールデンウイークにかけて福知山の山々に一斉にこのヒサカキの甘い匂いが立ち込めるのをご存知だろうか?そんな匂いの立ち込める里山に入ると高山植物に似た「しょうじょうばかま」の花が松林の中のあちこちに咲いていた姿を思い出す。
今、「もう一度、あの匂いをかぎたい、しょうじょうばかまの花をみたい」と念願しているが
これが故郷の春の匂いなのだと、懐かしさは胸をかきむしる。だが、もちろん、故郷の秋の匂いは高校の正門そばにある金木犀の匂いだ。そして、神宮外苑でもう一つ忘れてはならないのが青山通りから映画館前までのイチョウ並木だ。神宮外苑の事を書く以上、このイチョウ並木の様子を見なきゃと、今日、雨の中を来た。地下鉄を降り地上に出ると小雨になり、なんとイチョウ並木の上に大きな虹ができていた。東京で虹を見たのは何回目か。神宮外苑は建物は変わろうとも東京の象徴である。平和な東京が続きサステナブルに残ってぜひまたこの辺りを歩きたい。と、メッセージを頂いています。いつもご視聴ありがとうございます。

・(水) 荒城の月 (高村浩二先生)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は滝廉太郎作曲「荒城の月」です。今月は「気楽にクラシック」をテーマにお送りしています。
深まる秋、芸術の秋、秋はつるべ落としと一瞬夕日が美しく見えすぐに薄暗くなり夜が長くなってきます。銀杏並木こずえの先の夕景を見上げるたびに
「アカシヤのなみきに ポプラに 秋の風吹くが かなしと、日記(ニキ)に残れり」と。
「石川啄木の一握の砂」を思い出します。

・(木)「ミロンガ」 (二重奏)

「ミロンガ」とはアルゼンチンやブラジル南部で音楽によって踊られるダンスの曲の形式です。作曲は1949年アルゼンチン生まれのホルヘ・カルドーソ。しっかりとした基礎の上に彼、独特なフィーリングを持ち、ギタリストでもありますが作曲や編曲を多く手掛けています。日本にも1980年に初来日し、彼自身のリサイタルや東京杉並公会堂で開催された新堀寛己先生指揮、新堀ギターオーケストラとの協演、ビバルディ作曲のニ長調のコンチェルトやハ長調のコンチェルトを演奏し、アンコールにはカルドーソが新堀ギターオーケストラのために作曲した「涼風のワルツ」が演奏されています。現在、ライブ版でレコードで残っており、当時の感動がよみがえります。

・(金)「月の光」 (二重奏)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目はドビュッシー作曲「月の光」です。今月は「気楽にクラシックを」をテーマに、お送りしています。
「深まる秋」つるべ落としの日没の中、色づきかけた山々と夕陽が一瞬オレンジ色に美しく輝く光景に思わず足が止まり、引き込まれて行きます。
「月の光」近代フランスの天才と呼ばれたドビュッシーが青年期の1890年に作曲したピアノ曲集「ベルガマスク組曲」の第3曲目がこの「月の光」です。月あかりの下で美しさや静寂した
空気感、月の怪しい魔力で人を惑わされるような冷たいドビュッシー独特の色彩感で表現されています。

どうぞお楽しみ下さい。

リクエスト、メッセージ、感想等お待ちしております。お気軽に投稿ください。

FM聴 こちらから