FM丹波 ギターの散歩道2025年2月放送分

2月プログラム  2月3日(月)~ 28日(金)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は「冬の思い出」をテーマにお送りしています。暦の上では立春ですがまだまだ寒さが続きます。日本の冬は、四季の中でもっとも冷え込み、地域に寄っては雪が降り、冬ならではの魅力もあります。スキー場の夜の銀世界、夜空の星の透明感はたまりません。

・ (月)「冬のソナタ」 二重奏

「冬のソナタ」、「冬ソな」と言われるほど大人気だった韓流ドラマ。2002年、韓国で放送された全20話の連続ドラマ、その後日本でも放送され、日本における韓流ブームの大きなきっかけとなりました。テレビだけでは飽き足らずヨン様を追いかてと、皆さんの中にも韓流ドラマにはまった方がいらっしゃると思います。
「冬のソナタ」音楽をやっている者にとっては「ソナタ」と聞いただけでどんな展開になるのだろうかとドキドキするものです。著者のキム・ウニさんはこの本のまえがきに何事でも「初めて」となるとなぜか胸がときめく。子供のころ、母親と手をつないで初めて、小学校のグランドに足を踏み入れた日の、春の日差し。新しい真っ白なノートに心引き締めて書き入れる最初の一文字、そして初めて胸の高鳴りを教えてくれた人の、はにかんだ笑み。こうした愛くるしい「初めて」がないと人生はとてもつまらないものになってしまうだろう。・・・それでも、私の初恋がまた私を呼んだら、どうすればいい?と書いておられます。恋愛はいつの時代になっても年齢に関係なくときめくもの、あこがれですね。さあ、「冬のソナタ」お楽しみ下さい。

・(火)「Yestaday」 (高村浩二)

1962年デビューしたイギリスのロックグループ、ビートルズ、1970年の解散までロックン・ロール、リズム&ブルース、クラシック、インドの音楽等を取り入れた活動はロックの世界だけではなく60年代のあらゆる文化に影響を与えて社会現象にまでなりました。日本には1966年に来日、武道館でもコンサートが開催されています。懐かしいですね。編曲は日本を代表する作曲家武満徹さん。
武満徹さんはビートルズをこよなく愛し、尊敬されて「イエスタディ」はギターのための12の歌よりからの1曲、他にミッシェルやヘイジュードもあります。「イエスタディ」実際のビートルズの演奏は歌とギター1本での伴奏、質素と言うかそのシンプルな美しさがこの曲の持ち味でもあり、又武満徹さんの絶妙なアレンジによって心に響くものなっています。そして原曲はヘ長調ですが武満編はイ長調になっています。この調にしたのも武満徹さん自身に何か思いがあったのではないでしょうか?出だしもあれ?「イエスタディ」と言いたくなるくらい付け加えられているのに気が付かれると思います。ここには武満徹さんのさすがと言えるセンスを
感じてしまいます。「イエスタディ」武満編ではさらに旋律と旋律の間、原曲ではストロークの音のみが聞こえている部分、この小さな隙間にさりげなく自然な旋律を混ぜ込むことで響きが豊になりより一層魅力的に仕上がっています。
「イエスタディ」色々な人との出会いを思いだしながらお聞きください。

・(水) 「愛の讃歌」  (足立ゆかり)

「愛の讃歌」フランスのシャンソン歌手エディットピアフの楽曲、作詞はピアフ本人、作曲者はマグリット・モノー。所説ありますがピアフの恋人が1949年に飛行機事故で亡くなったのを偲んで作られた、と言われてきましたが、生前に恋人と恋愛に終止符を打つために書かれたものではないか?とも言われています。「愛の讃歌」~あなたの燃える手でわたしを抱きしめて~の歌詞で始まる岩谷時子さんの日本語訳は原詩、元の詩とは異なり、日本人向けに甘い情熱的な思いを歌詞に訳された事で結婚式やお祝いの席でよく歌われ、日本でも親しまれるようになりました。日本では越路吹雪さんが歌われたものが特に有名ですがその後、多くの歌い手さんにより原詩に近い訳で歌われたり、テレビの番組でも使われています。今日は歌詞がない分、勇気、希望、前に進む一歩を素直な心で私の気持ちを「あなた」に語りかけていきます。人のつながりが希薄になりつつある今社会ですが音楽を通じてサポート出来る一つの出逢いになればと思っています。素敵な出会いを夢見て「愛の讃歌」どうぞお楽しみ下さい。

・(木)「DEJA-VU 遠い記憶」 (二重奏)

DEJA-VU~遠い記憶、それは「実際は一度も体験したことがないのに、既にどこかで体験したことがあるように感じる現象、きっと誰にでもこのような経験はあるのではないでしょうか。作曲者リ・サファンさんの解説によりますとこの作品にはイントロは設けておらず、いきなり主題のメロディーから始まります。演奏者は、その世界観を演奏開始前より、心得ておかなければ、聴衆を自分達の世界へ引き込むことはできません。また、和声の目まぐるしい変化は、感情の微妙な変化や不安定さであり、両パートともに内面に秘めて演奏してください。と解説されています。世界最古の楽曲である紀元前2世紀頃に作られた「セイキロスの墓碑銘」には
「生きている間は輝いて下さい。思い悩んだりは決してしないでください。人生はほんの束の間ですから、そして時はいつか終わりを求めてくるものですから」と言う心を揺さぶられる歌詞があります。時の流れの無情さは古今東西、時空を超えても変わらず、遠い時代の異国の文化に思いを馳せるのもいいのではないでしょうか?さあ「デジャブ遠い記憶」お楽しみ下さい。

・(金)「前奏曲とダンサ・ブラジレイア」 (高村浩二)

「前奏曲とダンサ・ブラジレイラ」の作曲者ホルヘ・モレルは1931年アルゼンチンの首都ブエノスアイレス生まれのギタリストでもあり作曲家です。彼はブエノスアイレスの国際的に有名なパブロエスコバールアカデミーでギターを学び、卒業後、ラジオやコンサートに出演しました。その後、エクアドル、コロンビア、キューバで演奏するためにアルゼンチンを去り、ニューヨークへ、そこで彼は彼の最初のソロLPを録音しました。そして毎週、テレビ番組で紹介され、61年にはカーネギーホールで、最終的なデビューを果たしました。日本では東京のサントリーホールでもコンサートが開かれています。
ホルヘ・モレルの楽曲はラテンアメリカのリズムやメロディとジャズ風に洗練されたハーモニで、オリジナルの構成とレンジメントを通じて、常に伝統的なスタイルを基本にしながらテクニックがどこまで上げられるか?に挑戦しています。又、楽器の物理的、音響的特性の親密な知識の組み合わせにより、クラシックギターのための作曲という複雑な作業への革新的なアプローチがもたらされています。アントニオラウロと並んで、知る人ぞ知るラテン系現代ギター作曲家の大御所。ラウロがメロディー重視に対し、彼は独特のリズムを重視して、早いパッセージで興奮の渦に巻き込みます。
「前奏曲とダンサ・ブラジレイア」さあ、どうぞお楽しみ下さい。

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