FM丹波 ギターの散歩道2025年4月放送分
4月プログラム 4月1日(火)~ 30日(水)
トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二
今月は「ウキウキ春」をテーマにお送りしています。春の陽気に誘われて心ウキウキ、新しい事を初めて若返りの春にしたいものです。
・ (月)「コスト作曲 仲良しエチュード」 二重奏
今日お送りしますエチュード練習曲は、1806年生まれのフランスが生んだ偉大なギタリスト、ナポレオン・コストの作曲です。コストは、ハンガリー出身で、メルツと共に19世紀後半、一時ギターへの関心が薄れていた時代に演奏や作曲に大いに貢献しています。従来ならばカルリやカルカッシ教則本にあるような分散和音アルペジオを基本とする練習曲から始まりますがコストは初めからギターを旋律楽器として取り上げ、メロディを重視した練習曲になっています。恩師新堀寛己先生の著書、現代ギター教則本では中等科の第6番としてこの練習曲が取り上げられています。生徒さんが自分のパートを弾きながら他の人のパートも聞けて和声的な流れを感覚的に身に着けられるようにと、元の独奏曲+先生用のパートを新堀先生が作曲されました。
・(火)「花」 (二重奏)
「花」作詞は武島羽衣。作曲は滝廉太郎、滝廉太郎は1879年明治12年東京に生まれ、23年間の短い生涯でしたが、音楽の流れに目を向けて「花」をはじめ「荒城の月、箱根八里」等多くの名曲を残し、後の日本音楽界の発展に大きな影響を与えています。現在中学3年生の音楽の教科書に合唱曲として掲載されています。歌詞から分かるように隅田川沿いの満開の桜を船から見て楽しむようすが見事に表現されている曲です。川面に春うららの微風が心地よいリズムを生み、伴奏は親指と人差し指をアルアイレで小気味(コキミ)よく刻みギターならではのリズムが表現できる名曲です。四季の豊かな日本育ちの人なら感覚で知っていますが地球上四季のない地域もあります。故に、春を迎えてワクワクする喜びや穏やかな川の流れの「リズム」「命」を最初に知って頂く事が大前提なのです。と、リズムの大切さを言っておられます。さあ滝廉太郎作曲「花」どうぞお楽しみ下さい。そして、気持ちのよい春を満喫してください。
・(水) 「駅」 (高村浩二)
「駅」元は中森明菜さんへの提供曲でしたがその後、竹内まりやさん自身も歌われて広く知られるようになりました。かつての恋人の姿を、駅で偶然見かけた女性が、隣の車両に乗りながら、降りる駅までの間、そっと彼の事を見続ける、と言う、切ない恋の情景を歌ったものです。切ない恋物語のこの曲は甘い音色のギターによくマッチし、情景が浮かんできます。音楽は人の世になくてはならぬもの、慰めであり、奮い立たせてくれたり昔の夢にさそってくれます。日々悩みのつきないこの世にあっては一時の安らぎです。「駅」さあ、どうぞお楽しみ下さい。
・(木)「ミスターロンリーのデュエット」 (二重奏)
「ミスターロンリーのデュエット」遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に、心を休めるとき、、、深夜0時になるとこの「ミスターロンリー」の曲と共に、城達也さんの落ち着いたナレーションで始まるFM東京のラジオ番組、ジェットストリーム、この曲が流れかけると私はギターの練習終え、今度は夢中になってラジオを聞いていた日本ギター専門学校の学生時代、まだ行ったことのない遠い国に思いを馳せ、想像を膨らませながら頭の中で描いていた異国の地、そして、初めての海外旅行と。乗った飛行機の中で聞いた、ジェットストリーム、懐かしくて昨日のように思い出してしまいます。1964年ボビー・ヴィトンによりシングルリリースされ、全米No1ヒットになっています。その頃は、この曲が寂しい兵士の事を歌っていた、なんて全く知らず気楽に聞いていて、後になってからベトナム戦争が勃発し、多くの兵士が派遣され、その兵士の思いを歌っていた事を、知りました。2025年4月30日、ベトナム戦争終戦50年を迎え、世界平和を願います。
・(金)「さくら変奏曲」 (高村浩二)
「さくらの主題による変奏曲は」横尾幸弘さん作曲。横尾幸弘さんは、大分県出身。1925年大正14年生まれ、戦後、日本のクラシックギター界でははじめてのリサイタルを開かれ又作曲や編曲活動と日本のギター界に多いに貢献されています。中でも「さくらの主題による変奏曲」はその芸術的な完成度の高さから世界的に有名で、パリで開催されたパリ国際ギターコンクール作曲部門で入賞、その後ジョン・ウィリアムス、イヨランセルシェル他、多くのギタリストによって世界中で演奏されています。さくらのメロディによる主題があり6つの変奏、そしてコーダと、まさに桜のつぼみがふくらみ、やがて満開になり、散っていく、春の情景を音で表しています。さあ、「さくらの主題による変奏曲」お楽しみ頂きましょう。
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