FM丹波 ギターの散歩道9月放送分
9月プログラム 9月1日(金)~29日(金)
トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二
今月は「夏の果て」をテーマにお送りしています。暦の上ではもう秋、朝早くから元気よく鳴いていたセミの声が少し寂しく聞こえ、コオロギのやさしい音も、聞こえ秋の気配を感じるようになりました。今年の夏は、久しぶりに故郷に帰省されたり避暑に出かけたりと楽しい思い出が沢山できた事と思います。中でも何十年ぶりかの故郷での同窓会、懐かしい友との再会でしばしタイムスリップ、今だからこそ話せる話題で盛り上がってしまいますね。又その反面去り行く夏が惜しまれます。
・ (月)放課後の音楽室 (二重奏)
ゴンサレス三上さんとチチ松村さんの男性2人のアコースティック・デュオ、1978年結成、1983年デビュー。シンプルで優しいメロディは聞く人、聞く場所聞く時間を選びません。すーっと体の中にメロディが入っていき、幅広い年齢層の人々に親しまれて又、高校の音楽の教科書にも掲載されています。
・(火)TUNAMI (高村浩二先生)
2000年に発売されましたが突如として襲った2011年3月11日の東北大震災、そんな中で、平成を代表するサザンオールスターズの大ヒット曲「TSUNAMI」は、曲名による受難が続き、アルバムで解禁されたものの、未だライブでは歌われないままです。私が想うツナミの歌詞の意味は主人公、男性が夏の海で体験した淡い初恋の物語だと思います。途中に「見つめあうと素直におしゃべり出来ない」と言う描写がありますが、好きだと言う気持ちばかり高まり告白をしたいけど逆に恥ずかしくて言えない・・と言う、夏の夕日の中、砂浜で波の音を聞きながら見つめあう初々しい男女の姿を想像します。人それぞれ解釈も違い、想い出も異なりますが、「夏の思い出」の曲として聞いて頂ければいいかなぁと思います。
・(水)歌の翼に (二重奏)
「歌の翼に」フェリックス・メンデルスゾーンが27歳頃、デュセルドルフでの指揮者時代にハイネの詩に曲をつけた大変美しい曲です。歌曲(『6つの歌』作品34の2曲目)で、世界的にもよく知られています。
フィッシャー=ディースカウ、ペーター・シュライアー、等、録音も数多く、日本でも訳詞したものが、よく歌われています。ハイネの詩にはハスやすみれ、バラの咲き乱れるガンジス川のほとりへあなたを歌の翼に乗せて連れていきたい、と言った内容、ハイネやメンデルスゾーンの時代にはインドの実像がヨーロッパにはあまり知られていなかったために神秘な国として憧れる人がたくさんありました。
・(木)アルフォンシーナと海 (高村浩二先生)
「アルフォンシーナ」とは鋭い感受性を持つ女流の詩人「アルフォンシーナ・ストルニ」をさしています。細かすぎる神経と人生の疲れと病いにさいなまれ46歳で海に身を投げたとあります。歌詞の内容も痛ましくも幻想的な女流詩人が入水していく姿に思いをはせた内容になっています。曲の中に日本の音楽で用いられる、民謡の音階と同じものがあり又、日本の演歌と似ている部分もあり、親しみ易く感じると思います。「アルフォンシーナと海」アレンジはアルゼンチン出身のレオナルド・ブラーボさん。サンバの形式で書かれていますがブラジルの賑やかなサンバとは違い、この「アルフォンシーナと海」は抒情的でノスタルジックな曲調で、演奏者の感性を大切にしてドラマを作って行きます。
・(金)TICO TICO (二重奏)
「ティコティコ」、ラテンの名曲としてよく知られた「ティコティコ」。19世紀末に作られた曲で作曲者はゼギーニャ・ジ・アブレウ。この曲はティコティコ・ノ・フバーとも呼ばれ、とうもろこしの粉をついばむスズメと訳されているそうです。
どうぞお楽しみ下さい。
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